4/26/2012

Acting 04

前回の続きで、少しリファレンスビデオを見て行きたいと思います。何故こういう動きにしたかといかいうのも、憶えている範囲で書いていきます。

(注釈;24fpsで作製して行きます。なので、このリファレンスもそのレートになっています。)

1F~64F位まで (I can make right again )
最初は深くinternalになっているので、かなり下を向いています。ココでは今までを振り返って、後悔などを感じているところです。

65F~116F位まで (but I can make things better)
同じくinternalだけど、ポジティブな方向へと自分を持って行こうと、自分にいい聞かせながら話している。なので、少し上を向き、視線も少し遠目になる。このこの頭の縦振りのテクスチャーは入れるべきと決めていた気がします。

117F~200F位まで(I'm a dad)
まず、最初の山場です。このsilenceをどう扱うか。ここの部分の為に結構な回数、リファレンス取り直しました(笑)。とりあえず、瞬き→娘に視線を渡すが、一度小さくそらすというのを基本にしました。あと、I'm a dadと言う前のcompressionはいいtextureになってると思います。

200F~219F位まで(無音部分)
ここで一度、娘からdisconnectします。そうすることによって、テンションのcontrastを付ける為です。もしこのまま、前へいきつづけていたなら、のっぺりしたアニメーションになってしまうと思います。また、一度disconnectする事で次のre-connectがさらに強調されて行きます。

219F以降 (Whatever you say~)
ココから意識はだんだんと娘に集中してゆきます。
なので、徐々にアクションが大きくなります。
そして、動きも、少し曖昧な感じだったのが、徐々にしっかりとした動きに変わってゆきます。そうする事で、このキャラクターの心情状態を表すのです。


アクティングカットで考えなければならない事が有ります。

それはそのキャラがどれくらいのテンションでカットが始まるのか?そしてどのくらいまでのテンションにいくのか?という事です。
という事です。いつもつねに、ショット頭のキャラのテンションは100で有る必要は無いのです。例えば、僕のカットで説明すると、最初のテンションはおそらく30位でしょう。
そして、半分くらいのDadと言った辺りで、70位いって、最後のgalを言う頃には100以上というような感じでは無いでしょうか。で、コレがブロッキングになります。



大まかな動きとタイミングはリファレンスとほぼ同じです。
あとは、MAYA上でどこをどれだけpushしてゆくかになってゆきます。
また、どのtextureを拾うかも、考えて作ってゆきます。が、、、、
このまま作り進めてもいいのですが、今ひとつアピーリングに欠けると思った僕は
とある物をつかって、もっとアピールを強めようと考えました。
その回答は、次回のときに書こうと思いますので、もしよかったら、考えてみてください。どうすれば、もっとこのショットがユニークでアピーリングの強いものになるのかを。

では今回はココまでです。

4/22/2012

Acting 03

前回は、説明のみで終了してしまいましたが、今回から又ショット制作に戻りたいと思います。

まず音声は一回目に決めたこれです。
でこのときに書いた、ノートがこちら。走り書きなので、けっこう綴りが間違ってるが、気にせずに。。。
さて、どういう感じにしていこうかと、決めたかというと
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I can not make it right again but I can make it better 

ココまでがinternal で、
感情はagainまでが、少し後悔でその後から、betterまでが、自分の中で何かを確認しながらかつ、また少し自信が有るような態度。

I'm your dad 

ココがexternalで、説得するような感じだが、今まで娘と接していなかったので、果たして自分がdadといっていいのかという困惑、不安が混ざった態度。

and whatever you say till the day that i die,

ココから以下が全てexternal になって態度としては、娘を説得するようになってゆき、徐々に不安や困惑が少なくなっていく。しかしそれらは全て無くなって行く訳ではない。
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とこう書いてます。 これはあくまで初期の段階での決定なので、最終的には少し変わりました。変わったと言っても、大きく変わった訳でなく、ベースのコンセプトはほぼこのままです。

で、ココまで決まると後は作業開始です。そう、リファレンスビデオです。まだPCには向かいません。ここで、CG作業を始めると、おそらく座礁します。

さて、リファレンスですが、上記のまとめを踏まえて撮ります。なので、自分の中でキャラがある程度できていないと、リファレンスとして使用できないので、ココまで時間を取りました。
リファレンスを撮る前に、この場所のシチュエーション、カメラの位置を決めます。




場所は夜の公園のベンチ、娘が隣に座っており、カメラには写らない。
で撮ったリファレンスがコレです


で次回はこのリファレンスについて少し話していよいよ、mayaに入れるかも?


4/17/2012

Acting 02

今回は、キャラの心の動きを分析して行きますが、これはあくまで僕自身の見解なので、これが正解という物ではありません。

さて、分析する前に僕はまず、キャラの状態を大きく3つに分けます。

  • Internal
  • External
  • Neutral
の三種類です。また二人以上の場合だとさらに三つ加わります。
  • connect
  • disconnect
  • reconnect 
それぞれの語彙を簡単に説明します

internal -自分の内に入っている状態です。
external-自分の外にある状態。上記の反対の意味として使用します。
neutral-どちらでもない状態。

connect-もう一人のキャラと繋がっている状態。
disconnect-そのキャラと繋がっていない状態。
reconnect-一度繋がりが切れたけど、また繋がった状態。

ムービーでもう少し説明します



1:09
external, connect 
男性の意思が外に向いており、次のカットに出てくる女性に繋がろうとしている

1:12
neutral→external, not connect→connect 
最初女性は何つながりも無く、ニュートラルの状態から、二番目の意思が外に向いており、男性と繋がるという状態に変化します。何故其れがわかるかというと、ショット頭で徐々に眉が近寄ってゆき、その後大きく”瞬き”をします。これが合図です。
眉が近寄っている状態は、キャラはneutralです。このあいだに女性は目の前に有る物がなんであるかの情報を集めています。そして、其れが”何か理解できた”瞬間、大きく”瞬き”をします。なので、ここで二番目の状態に変化します。

話は戻りますが、男性のカットでこの、neutralの動きが有りませんでした。
何故でしょうか。それは前カットのlong shotの段階でこれが行われていたからです。
よく見ると椅子に縛られた男性が女性を観察してるアニメーションが見ることができます。
同様に、女性も観察しているのが見て取れます。ならばなぜ女性の方のカットだけneutralが入っているのか?それは、女性の方が現状を認識するのに時間がかかっている→混乱しているというのを表しています。


男性の方は、盗賊で認識が 遅れる事は死を意味しています。なので、すぐさまに自分の現状を認識しなければなりません。一方、女性の方はどうでしょう。彼女は産まれてから、塔から出た事がありません。なので、自分の知っている世界は、窓から見れる景色と塔の内部のみ。まして、男性など見た事がありません。なので、かなり混乱しており認識に時間がかかっているのです。

上記の説明でわかりますが、キャラのバックグラウンドがこのように深くアニメーションに関わってきます。なので、キャラのバックグラウンドは凄く大切なのです。

さて、説明を戻します

1:13~
internal→external→internal→external, disconnect→reconnect→disconnect→reconnect
"all right, listen I did won't have to"辺りくらいまでが、一番目の状態で目を開く辺りから→二番目の状態になります。そして台詞を言い終わってしたを向くところで再び状態が変わります、三番目になります。そして最後にに、顔を上げたときにまた変わります、四番目です。

と大まかにキャラの状態をこのように分けて行きます。
キャラの、心の状態がどのようになっているのかを自分で理解しておくと演技を考えるのに役立つと思います。外向きなのか、内向きなのか、誰かと繋がっているのか繋がってないのか。

今回はココまでにして、次回からショットに戻ります。

4/15/2012

Acting 01

今回から数回に分けて、アクティングについて書いていきたいと思います。
なので、ボディメカニクス等には、深く触れませんが、アクティングにかかわりそうなところは、カバーしていきたいと思います。

では、まずアクティングについて、少し考察していきたいと思います。
そんなことは必要ないと思うかもしれませんが、必要なことなので我慢してください。

人は次のようなプロセスで行動します。

「考え→行動」

当たり前ですね。でもコレをアニメーションすると ”考え”のところがスポーンと抜けたものが出来ることがあります。でそのアニメーションはアピールするものが無い物になっていしまいます。ただ動いてるだけのアニメーションです。たとえそれは動きが、綺麗でも何の魅力もないものです。

では、前置きはこのあたりにして始めていきます。

まずオーディオはコレを使用します。
台詞は


"I can not make it right again, but i can make things better
やり直す事は出来ないが、今よりよくする事は出来る

i'm your dad
君の父親だしな

and whatever you say till the day that i die,
お前が何を言おうと、私が死ぬまで

you are my gal"
お前は私の娘だ

となります。


で、次にこのオーディオからこの人物のヒストリーを作成していきます。
ここで必要と思われる最小限のものは

  • この人のバックグラウンド(家族構成、教育はちゃんと受けているのか、どこの育ちか。などなど)
  • この台詞を話している場所、時間、回りに誰かいるのか、いないのか。
  • この台詞が話される前は、どういう状況だったのか。
あくまでコレは最小限で、大いに越したことはありません。
ここまでする必要ないんじゃないの?と思ったりもするでしょうが、必ず必要です。
もしこれらが無いまま進めると、必ずといってよいほど、後のプロセスで行き詰ってしまいます。

で、これが僕が作ったヒストリーです。
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Background.

He devoted when his daughter was age 5. then he did not met her again.
But life is so curious, after 20 years later, he meet his daughter by chance.
and from this moment, he trying to get back father's faith.
It is hard to get back, because his daughter will not open her mind.
and after a few contact, he say this line.


some note.

he did not meet her after devote, but he put her photo in his wallet.
before this line, they have quarrel.

彼は娘が5歳のときに離婚した。其れ以来、娘とは会っていない。
が、二十年後、彼は娘と偶然再会する。其れ以来、彼は父親としての威信を取り戻そうとする。しかし、其れはなかなかうまくいかない。というのも娘はなかなか心をひらいてくれない。何回か娘と会い、この台詞をいった。

追加メモ
彼は、離婚してから娘と会っていないけれど、財布に娘の写真を入れていた。
この台詞を言う前、娘とすこしモメタ。
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と、ココまでが準備その1です。まだまだ、mayaに行きませんw
その2が有ります。
次回は、この声から、心の動きを分析して行きます。